ゆびきり

「いらっしゃいませ」







倫子は、気持ちを切り返し、そう言った。









しかし、訪問者をみたとたんに、時が止まったように、皆、その人に釘付けになった。








「こんにちは」







茶色い髪に、柔らかいパーマのかかった髪…








懐かしい優しい笑顔…







「梨由…」







そう、最初につぶやいたのは、詠士だった。







私は、反射的に詠士を見る。







複雑な感情が混ざりあったような、驚きの表情で詠士は梨由をみつめていた。







なんだろう、胸騒ぎがする…








梨由と詠士…







梨由も無理に笑顔を見せて、詠士を見つめていた。







胸が苦しくなる…







二人は







どんな関係なの?