ゆびきり

ライブが終わり、梨由たちは楽屋に戻ると、そこには政康が待っていた。






三人とも少し緊張した面持ちだったが、それを打破するように、政康が話し始めた。






「おつかれ様。今日のライブかなり良かった。お客様も楽しんでくれてたようだし」






「それは良かったよ」






政康の言葉に光哉が答えた。
梨由はその間、政康の様子を伺っていた。





直接、離婚の話を勝手にステージで発表したことを謝りたいこと、いくら、話しを聞いてもらえなかったとはいえ、さすがに、後ろめたい気持ちがでてくる。




梨由は腹をくくったように、真っ直ぐ政康をみつめた。






「これで、私はあなたの願い叶えたでしょ?だったら、お願い、私の願いも叶えて?」






梨由は向き合うと決めた。
瞳をそらさず、真っ直ぐ政康を映し出していた。