ゆびきり

そんな不安な私をよそに、どんどん詠士の表情は輝き始めた。






「おっ!水族館の無料チケットじゃん!」






前は出会ってすぐの時は、見知らぬ女の子のお金でデートしているのを目撃という、苦い思い出だけど。





「会社でもらったの、良かったら一緒にいかない?」





緊張する言葉。





自分から好きな人にデートを誘うなんてこと、したことなかった。





そもそも、彼氏という存在が、いたと言ってもいいのか疑問だけどね。





三年前の彼とも、今の詠士と似ている関係。





一緒にバイトの行き帰りをしたり、たまに時間があると、彼の家に行くだけ。





二人でご飯も行ったりしたことなかった。






「いいじゃん、いこいこ」





詠士は、くったくのない笑顔で答えてくれた。





その笑顔に、私の緊張がほぐれて、つられ表情が綻ぶ。