ゆびきり

梨由は、私の家を出てから、一人歩いて駅付近へ行っていた。





「お兄さん、私に詩を書いて」





そういって、詠士の前に座り込んだ。
その姿をみて、詠士は思わぬ訪問者に二度見した。





「お前…、なんでこんなとこいるんだよ」





さすがに、梨由の立場も考え小声で言った。






「今はオフなの。ねえ、早く書いてよ」





詠士は、仕方なく色彩とペンを手に取った。