ゆびきり

この時間帯、詠士は詩の仕事中で家に帰ることは当分ない。





久しぶりの梨由との再会に、少し緊張しながらも、お茶を入れて私も梨由の隣に座った。





「本当に、梨由ありがとう。梨由がいなかったら、どうなってたか…」





今でもゾッとする。
マヤの狂気に満ちた目、
交番に誰もいなかった絶望感。




梨由が、警察官を連れてきてくれたまでにそんなに時間は経っていないかもしれない。





でも、私にとってはとてつもなく、長くて恐怖だった。





思い出すと、身体が震えた。






そんな震える手をみた梨由は、そっと、手を握ってくれた。