ゆびきり

そのマヤという女は、突然、倫子に掴みかかってきたという。隣の詠士が必死に止めたが、腕には掴まれた場所が、爪も立てていたのか、赤く傷になっていたらしい。





他にも、詠士が他の女と二人でいるところをみたら、その女に今度は詠士がいないところで、何かやらかしたらしい。





それは、倫子も詳しく知らないらしい。





でも、その話を聞いただけでも、悪寒が走る。嫉妬が狂気に変わってしまう人なんだ。






「たださ、ずっと一途に詠士を好きってわけでもないんだよ。彼氏がいなくなったら詠士を求めるって感じでさ」





そんな勝手な愛情で、よくそんな自分勝手な行動ができる人がいるもんだと、全く知らないが憤りを感じる。