ゆびきり

少しの間、お互い話すことなくなり、MISAの曲だけが車内で流れていた。








だんだん、私も落ち着きを取り戻し、涙も止まった。









そんなとき、やっと、光哉が口を開いた。









「梨由が言う通り、本当に君は純粋なんだね。始めは、君のことをあまりよく思っていなかったんだ。

梨由を恋敵にしてるのは見え見え…


なのに、何故か梨由は君をいつも信じていた。不思議に思っていたけど、やっと理解できたよ」








光哉はミラー越しだが、優しい表情をしているのが解った。








「みんな、不器用なだけなんだね。梨由も君も…詠士くんもね」








「詠士も…?」








「ああ、みんなそれぞれの想いがあって、すれ違ったり…


ときどき、三人の話を聞いていると羨ましくなるよ。それだけ、人生と全うに向き合って生きてるって…」








だんだん、光哉の顔が曇り始めた。








何があったんだろう…