さっきまで、幸せだった私の心が、一気に怒りに似た不安な感情が沸き起こる。







どうして、こんなときに梨由が詠士を求めてくるの?








もう、二人には何もないんじゃないの?








どうして…







どうして、二人は私の目の前で抱き合っているの?







「とるわけないじゃん」





そう言った梨由の言葉が、笑顔が今の現実から不釣り合いなのに、頭の中で反芻する。