ゆびきり

そうこう話しているうちに、谷本は電話を切り、急いで梨由と向き合った。








「梨由、急いで出る支度して」







そう言いながら、谷本も出る支度を始める。








「なっ…何?何があったの?」







強い不安が梨由を包む。








「詩織ちゃんが、保育園で遊んでたら滑り台から落ちたって…」







「えっ…」







その言葉に、その場の空気が氷つくように止まった。








そして、梨由は頭の中が真っ白になったが、とりあえず、荷物をまとめる。







「気を付けてな…」







ただならぬ、状況に光哉とミサはただ、動揺している梨由を見送ることしか出来なかった。








光哉の言葉すら、梨由の耳には入らず、振り向くことなく、足早に去っていった。