ゆびきり

次々と梨由の書いた詩をみながら曲を聴いていく。







他の人を好きになれたら、本当にいいのにね。でも、自分を愛してくれる人じゃなきゃ、また同じ思いしてしまうか。








恋愛が幻想なら、どうしてこんなに辛く感じるの?







幻想だと言い聞かせたところで、気持ちは乱れたまま。







梨由の歌詞と自分自身を重ねながら、恋をしている気持ちと向き合っていた。







そんな中、突然「トントン」と、ノックする音がした。







「はい」







私はドアを開けると、詠士が私の部屋に入ってきた。







「寝ろって言ったのに」







そういって、詠士は私のベッドに座った。







流れるMISAのCD







詠士は私が見ていた歌詞を見つめた。