ゆびきり

残された私と梨由には、重い空気が流れる。









詠士が感情的になるのは、いつだって、梨由が絡んでいる時だけだ。








梨由もふと、私の存在を思い出したかのように、作り笑顔を私に見せた。







「へへっ…、また怒らせちゃったよ」








「梨由…、無理しないでよ。友達なんだから、作り笑顔なんて、辛いよ」








私は梨由の肩にそっと手を置いた。








まだ、梨由の傷は何一つ、癒されていないのだろう。








支えられる人が、梨由にはまだ必要だよ。








私の言葉に、梨由はじっと私を見つめ、瞳を潤わす。








「日和…」








そして、しだいに、笑顔になった。








「ありがとう、素敵な友達ができて、私も心強いよ」







梨由は、そういうと荷物を持って立ち上がった。