詠士と梨由は顔を見合せ、なんとなく、気まずそうにした。








そんな中、詠士が軽く話し始めてくれた。








「始めは、知っての通り、違う奴をこいつは好きで…俺は…」






詠士は顔を赤くしながら、言葉を詰まらせた。









それをフォローするように、梨由が言葉を続ける。








「龍が麻子…、龍が好きになった女ね…。その二人が心中してさ、その時、心のバランスが取れなくなって、そんな時に、詠士が支えてくれていたの」







梨由の切ない表情が、暗く辛い過去を物語っていた。








龍が亡くなった理由、麻子と恋仲だったこともしらなかった。二人は心中だったなんて、梨由の心が壊れてしまうのも無理はない。








好きな人が違う女と、死を選ぶ…








そんな辛いことを、梨由は経験してきたなんて…