「霧子いくぞ」 エコバックを肩に掛け、空いた右手を差し出された。 わたしは無言でその手を握る。 それはいつもの日常だった。 「ちょっと公園寄ってくか」 山之辺家までの帰り道、住宅街のポケットパークでやつは足を止めた。 わたし達は時折、この公園で一休みして語り合うのだ。 それは学校の話だったり、由紀ちゃんのことだったり、趣味のバイクや絵の話だったり。 たぶん今日は、さっきの結婚の話。 わたしをベンチに座らせると、山之辺は自販機に飲み物を買いに行った。