「霧子待てよ」 いつものスーパーで、一人カートを押しながら食材を狩るわたしの後ろを山之辺が追いかけてくる。 鶏モモ肉と玉ネギ、フルーツはリンゴ、朝食用のパンに牛乳、由紀ちゃんのおやつに菓子パン一個。 卵はあるし、今晩は手早く出来る親子丼だ。 「確か七味が切れてたぞ」 その手に詰め替え用の七味唐辛子を持ち、横に並んだ山之辺をチラ見した。 カートの中身から夕食のメニューを当てるとは、やつもなかなか察しが良い。 目と目が重なった瞬間、山之辺がニコリと笑った。