「おはよう……」 「ん……、あぁ……、おはよう霧子」 カーテンを引き、朝日を部屋へ入れる。 この家に家族以外の誰かが泊まるなんて初めてだ。 「朝ご飯できてるから」 「ん……、あぁ……、悪いな」 寝起きの山之辺は無防備だ。 まだ気づいて無いとは思うけど、寝癖が可愛い。 「わたしこそ、ありがと。我が儘に付き合ってもらっちゃって」 昨晩、どうしても一人で家にいるのが心細くて、山之辺を引き止めた。