次の日、案の定ピリピリした享也が待っているわけで。 「おいっ!っざけんなよっ」 教室に入るなり俺の胸ぐらを掴んで奴は顔を近づけた。 「お前のため。………以上」 相変わらずむかつく奴の俺は、なんでだか真実なんて言えなかった。 後で聞いた話だと、享也は砂紀にフられたらしい。 砂紀はそれから開放されたと聞いたが、全くのでたらめだ。 だって元々誘拐されてないし。 腹がたつが、抵抗はしない。 そんな態度、奴をますます怒らせるだけなのに。 俺はその日、大切な友達を1人失った。