美代は太一の傍へ駆け寄る。 「な、んで……はっ、。」 「好きだからです!」 息も絶え絶えな太一。 ―――もう、永くはない。 美代はボロボロと涙をこぼす。 「好き、です。愛してます、太一さん…。」 すると、太一は手を動かして、美代のそれを握る。 「美代。…顔、近づけてっ…?」 美代は顔を近づける。 「…もっと。」 「……。」 「まだ、近づけて。」 距離は、零。 美代はそっと顔を離す。