「俺だって、好きだった。」 「……っ、あ。」 涙が、止まらないのは 悲しみと嬉しさが混同しているから。 「行ってくる。 きっと、帰ってくることは出来ないけれど、忘れないで。」 ―――愛してる、美代。 それは田舎の兵の覚悟。 粗末な武装で戦場に赴くあなたを 私では 止めることができませんでした。 ――あなたが私の幸せを想ってくれたから。