美代は着物についた泥をはらう。 「太一さんは、誰か想い人はいらっしゃいますか?」 美代がそう聞くと 「うん…、すっげー好きな奴。」 泣きそうに微笑んで言うものだから (泥まみれの私では、適いませんね…。) やはり、 伝えることはできなかった。 ―――――… その数日後 「戦に、行くことになった。」 覚悟を決めた瞳で 彼は言った。