心の中にはいつもキミがいた

「あ、紗希ちゃん」



別の教室から声が聞こえた。


キミはビクっとして、俺から離れた。





「あ、みっこ」





キミは、教室から出てきたみっこに駆け寄った。





みっこ。




見たことがある子だったけど、話したことはないと思う。




この子が･･････俺のことを好き？



俺の何を知っているんだろう。




俺はみっこのことを何も知らないのに。







俺はその場の空気を読んで、足早に練習へと戻った。





俺とキミは偶然廊下を同じ時に歩いていただけ。





別に一緒に歩いていたわけじゃない。




そんな雰囲気で、俺とキミは別れた。