朝が待てなくて


「樹は特にさ、昔っからデカかったから結構目立ってたんだ。で、あいつ売られた喧嘩全部買ってたからなぁ」


「へぇー…強かったの?」


「おう、普通にな。でも強けりゃ強いで挑んでくるヤツとかいるし、負けたら負けたでリベンジに行かなきゃで、なかなか大変なわけよ。俺等の青春時代もね」



「プフ、あんた弱かったくせに」と香美さん。


「そーなんだよ。樹とツルんでるだけで知らないヤツに絡まれるから、俺迷惑してたし」


「助けてもらってたんでしょーが」


「ははっ」



懐かしそうに笑う祐二さんと香美さんはわたしには眩しくて…


青春を共有した人にしか分かち合えないものってきっとあるんだ、とそう思った。