朝が待てなくて


バシャッ!

とそのとき突然水が降ってきた。


「うわっ!?」
「えっ?」


パッと体が自由になって、見ると祐二さんがバケツ片手に仁王立ちになっている。




「ホースが届かないからって油断してんじゃねーぞ。バーカ」


次の瞬間、祐二さんはバケツを投げ捨て、全速力で逃げだした。


「ハッハッハ―だ」


高らかな笑い声。




「てっめーバカヤロー! 真琴がぬれんだろーがよ」


バネ仕掛けみたいにステップから飛び降りてバケツを拾いあげ、樹がそれを追っていく。


えー…、追いかけっこの始まり?




頭から水をかぶってびしょぬれの樹が、きらきらの光の中に飛び出して、駐車場のアスファルトの上をグングン走って行く。


わたしはというと、樹にすっぽり包み込まれていたおかげで全然ぬれてないけどね。