朝が待てなくて


ステップの鉄板の上に置いた手に、大きな手のひらが重なった。


「?」


そっと見あげると樹は前を向いたままで、温かな手だけがわたしとつながっている。




「ずっと……真琴は学校で誰か好きなやつができるんだろうと思ってた」


そう樹はポツリと言った。


「え」


「つきあいだして、お前はいつも可愛い気持ちをぶつけてくれて、うれしかったし俺だって本気で好きだったけど……

でもきっとすぐに他に好きなやつができちゃうんだろーなって、心のどこかで思ってた」


「……なんで?」


「毎日学校行ってんだぜ。歳だって近いし、自然な成り行きでそうなるだろ」


「そーかな?」


「そーだよ……」


そう言って樹は小さく息をついた。




「なのにお前ってば全然変わんなくて、どこがいーのか俺なんかのこと、ずっと一生懸命想っていてくれて……」




樹の瞳がこっちを見る。