朝が待てなくて


『大切過ぎてどうしたらいいかわかんない』


そう話したという彼の言葉が胸に沁みていく。




「だけどね、鍵もらったからってサボったりしないよ? 勉強がんばるし」


でもでも念のためアピっておこう。




「それな……」


と樹は少し困った顔になった。




「俺が無理かも」


「え?」


「鍵なんか渡したら歯止めがきかなくなる」


「歯止め?」


あー、と樹は頭をガーッとかいた。




「せめて高校卒業するまで真琴には手を出さないつもりだったんだ。予定では」


え? 案外早い段階でキスとかされた気がするけど……。




「全然ダメだったけどな」


照れくさそうに笑う。




だけどキス以上のことはずっとなくて、わたし真剣に悩んでたもん。樹に求められてないのかなって。


あの夜捨て身ですがりついたから、やっとそうなっただけで……。