「うわ。きれい…」
青空に花びらがちらちらと舞う。
うっとりとつぶやき、ふと横を見ると
樹は桜ではなくわたしを見ていた…。
スッと彼の腕が伸びて、指先がわたしの髪に触れる。
ドキドキ…
髪についた淡いピンク色の花びらをそっとつまむと、樹はそれをわたしの手のひらに乗せた。
「ん。お守り」
あ…
去年樹のTシャツにとまった花びらを、わたしは生徒手帳に入れてお守りにしてたんだ。
手の中の一片をハンカチにそっと包んでポケットに入れる。
「あのね…お花見の約束、覚えていてくれて嬉しかったよ」
樹を見上げて笑うと「バーカ」と彼は言った。



