「ちょっと上に行くとでっかい桜の木があるけど……見に行く?」
「え、あ、はっ、はい…っ!」
慌ててそう答えると、樹がクスッと笑って立ち上がった。
シートから降りて靴を履き、歩き出した樹の後をいそいそとついていく。
サ、サホリン! 二人っきりだよ…!
山の中を、道になっていないような木の間をすり抜けてズンズン行くと
あ…!
大きな大きな桜の木が不意に目に飛び込んできた。
うわ、すごい…。樹齢300年とかそういうやつか?
満開の花の下に行くと、そこだけパァッと明るくて、その美しさに圧倒される。
ちょうどいい大きな石に二人並んで腰を下ろした。



