「仕事持ち直すかと思ったんだけど、どんどん悪くなる一方でさぁ、結局会社からは正雇用の他に5人いる契約ドライバーを2人に減らしたいって通達があったんだ」
そうだったんだ……。
「その2人って当初は俺と樹が残るはずだったんだよ。俺ら若いしよく働くから、これでも結構信頼されてんだ」
うんうん、とうなずく。
「クビになる3人のうち2人はすぐに他のバイトが決まったり、家業を継ぐとかでサッサと辞めてったんだけど……。あと一人、年配のドライバーだけがなかなか再就職が決まらなくてさ。
高校生と中学生の子どもがいて上の学校にやりたいんだとか、奥さんが病弱で入退院を繰り返してるだとか、社長に泣き入れてるらしくて……ヤバいなと思ってたんだ、俺」
そこで祐二さんは小さく息をついた。



