朝が待てなくて


「家の人とは連絡とれたんですか?」


祐二さんが看護師さんに訊く。


「いえ、ご両親とお姉さん一家は今おそろいで旅行中だそうで、ケガもなかったし、わざわざ連絡しなくていいやとのことでした」




「なるほど、旅行中だったか」


祐二さんは樹の実家へも、お姉さん夫婦がやっているレストランへも知らせに行ったけど留守だったんだって。




「相原さん、会社に連絡入れようとしてたんですけど」


「寝ちゃったんスね」


祐二さんが笑いながら言った。




「それと……泣き虫の彼女が待ってるから電話してやんなきゃって、ノロケられちゃいましたよ」


看護師さんの笑顔がこっちを向く。




「な、泣き虫……じゃないです」


と言うそばから涙がじわっと浮かんできて困った。