「樹は、大丈夫なんですか?」
早口でそう訊くと、看護師さんは彼のわきに体温計をはさみながら
「そのようですよ」と答える。
「前を走っていたトラックが運転を誤ったのか、突然外壁にぶつかって横転したんですって。
それをよけようと急ブレーキ踏んでハンドル切って……結構危なかったみたい。
なんとか衝突はまぬがれたけど、あわや大事故になるとこだったようですよ」
なんて看護師さんは続けた。
「相原さん、横転したトラックの運転手さんを助け出したらしくて、そのとき煙を吸ったり爆風にあおられたりしたから、一応病院に運ばれてきたの。
ひと通り終えた検査もすべて異常ははなかったし、明日の朝まで様子を見て何もなければ退院ですよ」
看護師さんはわたしを見て、うんうんとうなずいてくれた。



