東315号室――。
教えられた樹の病室に行くと、そこは小さな個室で、彼はベッドに横たわっていた。
「た、樹……!」
返事はない。
祐二さんと一緒にベッドに取りすがる。
樹は頬をちょっと擦りむいてるくらいで、どこかに包帯を巻いている訳でもなく、苦しそうにも見えなくて
ただスヤスヤと眠っているみたい……。
心地よさそうな寝息だって聞こえる。
「れ? 寝てる? のかな?」
「おー…」と祐二さんもやや複雑な表情。
い、意識不明ってやつかな?
だけど酸素マスクやら点滴のチューブやらは、何にもつけられていない。
「あれぇ? ご家族の方ですか?」
ちょうど検温に来た看護師さんが明るい調子で訊いてくれた。
「あ、いえ」
「こいつの彼女と、友人です」
横から祐二さんが答えると、看護師さんはニッコリと微笑んだ。



