「あら、でも東名高速で炎上したのはうちの父のトラックですよ?」
樹のお姉さんじゃなかったその女の人は、キョトンとそう言った。
「えっ、うちの会社のトラックを現場で見たって連絡があったんですけど」
祐二さんが怪訝な顔をすると、「そう言えば……」と女性は話し出した。
「警察の人に父の事故の巻き添えになった方はいないかたずねたら、後続のトラックが危うく外壁に激突するところだったとは聞きました」
それだ……!
「げ、激突、しなかったんですよね?」
「ごめんなさい、よく知らなくて……」
そこへさっきの受付の職員さんが飛んで来て、わたしたちに向かって頭を下げた。
「すみません、間違えました。相原さんなら病棟にいらっしゃいます。同じ事故で入って来られたので勘違いしちゃって」
あわてて樹の病室の部屋番号を告げる職員さんに、祐二さんが食ってかかった。
「し、死んでねーよなっ? 生きてんだろーなっ?」
祐二さんの剣幕におののきつつ、職員さんは言った。
「そういうことは、わたしにはわからなくて……」



