「大腿骨の骨折で……」
「ダ、ダイタイコツ?」
「足が折れているようです」
「じゃあ、命には別条はないんですよね?」
「え、ええ」
お姉さんは少し驚いたような顔をして立ちあがり、わたしを見た。
「あの、あなたは?」
「上野です。上野真琴っていいます」
「上野さんは、その……うちの父とどういうご関係?」
へ?
父……?
言われた意味が理解できずにポカンとしていると、横から祐二さんに肩をつつかれた。
「ちがう、まこっちゃん、人違いだ。樹の家の人じゃないよ」
それから祐二さんはその女性に向かってこう言った。
「すみません。東名のトラック事故で運ばれたって受付で話したら、ここだと言われたんで」



