朝が待てなくて


「で、でも疲れてるのに……。ちゃんと眠らないとダメだよ?」


そう言って見あげると、樹はわたしの頬をムニ、とつまんだ。




「誰だよ、泣いて困らせたの」


はっ。


「ゴ、ゴメン」


わたしのせいだった。




ははは、と笑った樹の笑顔がまぶしくて、胸がキュウッと苦しくなる……。




樹はわたしの髪を後ろへ梳くように撫でると、


「お前じっと目を見るんだもん」


と言った。




「へ?」


「最後ベッドの上で……じっと見つめてくるから 目を外せなくて、なんか俺恥ずかしかったし」


なんて照れくさそうに言う。




「は? ち、ちがう! 樹が見てくるから、目線を外せなくて困ったのはこっちだってば」


「あれ? そうなの?」


「そ、そうだよ」