朝が待てなくて


「ゴメンね。眠れなくなるほど、わたし寝ぞう悪かった? 」


深刻な顔して訊いたらゲラゲラ笑われた。




「いや、そーゆー意味じゃなくて」


キョトンと突っ立ってると、灰皿代わりの空き缶でタバコをもみ消していた樹がチラッとこっちを見た。




「襲いたくなんの」




あ。


わわ……。




「い、いいよ? 樹がそうしたいんなら、わたしは何度でも、その……」


「バーカ、無理すんな」


わたしが“初めて”だったから気をつかってくれてるの?




「だ、大丈夫だよ。うれしい……よ?」


あわててそう言うと、樹はフゥ、とため息をついた。




「ほらな? やっとおさまったのに、いきなりそんなカッコで登場してきて、そーゆーこと言うんだ、お前は」