「いやっ、樹」
わたしは思わずベッドから飛び降りて、彼の片足にしがみついた。
「帰れだなんて言わないで……!」
「バカ、そーじゃなくて、こんなんじゃなくて……
俺はそこでちゃんと大切にお前を抱くから。真琴がいつ思い出しても幸せになれるような……そーゆーのにするから」
わたしを諭すように、樹はゆっくりと話す。
そんな樹の足にしがみついたまま、わたしは「いやいや」を繰り返した。
「そんなのいらない。今ここで続きをして……。もう泣かないから……大丈夫だから……。お願い樹、こんな気持ちのまま放りださないで」
「だから俺は……っ」
聞き分けのないわたしに、樹が声を荒らげる。
「こんな惨めったらしい部屋で、酒に酔って嫉妬に狂って…お前を抱くために、ずっとつきあってきたんじゃない」



