朝が待てなくて


そしてその放課後――。


わたしはまた樹の部屋の前に座っていた。




建物の隙間から見える空は真っ暗。


小さな星がちらちらと、ひとつだけ瞬いて見えた。




いつのまにか夜になっていた。


日が暮れると結構寒い。


もう11月だもん……。


ギュッと三角にひざを抱える。




家には一応ミャンマーんちに泊まるって言ってあるんだ。


樹と会えなくて朝までここにいることになるかもしれないから、ミャンマーにまた名前を借りた。




さっきから何度か、並びの住人さんが帰って来て、樹の部屋の前に座り込んでいる制服姿のわたしを怪訝そうに見下ろしていく。


気まずいのでケータイを見ている振りをしてやり過ごしたけど。






それから更に夜はふけて――。


日付が変わり、
終電ももう行ってしまったんだろうと思う頃、



外付けの鉄製の階段を、誰かが上がってくる気配に気がついた。