朝が待てなくて


部屋のほうは、やっと今日あたり契約できそうな感じだって、香美さんは教えてくれた。


『樹も週末には祐二んちから自分の部屋に戻れるんじゃないかな』


そっか、よかった……。
それなら会いに行けばいい。




『あの、香美さん』


『ん?』


『二人で会ったりとかもしてるのかな、樹と美里さんって』



カフェから仲良く出てきた姿が目に焼きついていた。




『ん~、基本ないと思うんだけど……。一回お茶おごるって言ってたかな。ダンナのことでいろいろお世話になったからって』


ホントはランチにしたかったんだけど、樹に時間がないって断られたと、美里さんが話していたらしい。




『そうそう、そのお茶のときに急きょ樹の部屋を借りることに決まったんだった』


そう香美さんは言った。