朝が待てなくて


『ううん。ケンカは自分のせいだから』




樹を信じきれずに、自分から裏切った。


そのことを樹はすごく怒ってるし、軽蔑してる。


もう連絡を取る気がないくらいに――。




涙がこみあげてきて、グッと歯を食いしばる。




『……ゴメンね、真琴ちゃん』


香美さんはそれでもやっぱり美里さんが原因だと思うらしく、彼女の代わりに謝り、事情を聞かせてくれた。




離婚して香美さんの家に身を寄せた美里さんは、まずは職を探して、それから部屋を探すつもりだったらしい。


部屋が決まってから、親戚のもとにいるお母さんと妹さんを引き取るはずだったんだけど、美里さんは先に二人を連れて帰ってきちゃったらしい。


世話になっている先のおじさん一家から、さんざん嫌味を言われてブチ切れちゃったみたいだよ。


自分はともかくお母さんや妹さんがつらく当たられるのは、耐えられないって。