テスト開けの日――
思い切って香美さんに電話をしてみた。
祐二さんの家の場所とか訊いてみようか?
樹は今どんな気持ちでいるのか、祐二さんから何か聞いてないかな……?
『もしもし…』
『あれ、真琴ちゃん!? めずらしいね、どした?』
いつもと変わらない香美さんの明るい声のトーンに救われる。
『えっと……樹と連絡とれなくて』
『はぁ?』
と香美さんは声をあげた。
『ったく、樹は何やってんだか!? 忙しいのはわかるけどさ』
ブツブツ文句を言ってくれる。
『ちがうの、あの、ケンカしちゃって……』
小さな声でそう告げると、香美さんは『えっ』っと一瞬息をのんだ。
『それって……もしかして美里のせい? あの子に部屋貸したことと関係ある?』
香美さんはやっぱ鋭い。
だけど……。



