「おお…よ…ど……。わたし、もうダメ……だ」
「うん」
「い……いらないんだって。わたしはもういらないって……。樹は、美里さんがよくなっちゃったんだって……」
「うん」
「美里さんじゃなきゃダメなんだって。わたしじゃ……ダメなんだって」
子どもみたいに泣きじゃくっていた。
「ただの浮気かもわかんないだろ?」
困ったような大淀の口調に、ブンブンと首を横に振る。
「樹はそういう人じゃないもん。美里さんは特別なの。樹の忘れられない人なの」
忘れさせてあげたかったのに、結局全然かなわなかった。
わたしなんかずっと……子ども扱いのままだった。



