「訊いてみたら案外なんでもないことかもよ?」
大淀は平然として見える。
「でも……」
「俺、しばらくここで待ってるから。……大丈夫そうなら勝手に帰るしさ」
そう言って見せた笑顔が少しぎこちなくて、大淀もそれなりに緊張してくれてるんだと思った。
「あの、ゴメンね」
「こっちは、いーから」
「うん。……よし、がんばる」
息を吸い込み、一歩踏み出そうとしたとき、頭上がパッと明るくなった。
あ……。
見あげると、部屋のカーテンが少し開き、もれる明かりが帯状になっている。
その光の中から姿を現したのは
――美里さんだった。
濡れた髪をしごくようにして、バスタオルで拭いている。
Tシャツにスエット姿。
どこをどう見ても、今シャワーを浴びてきました、って感じの……。



