「彼女と同棲してるかも」
「彼女はお前だろ?」
「そ－だけど……」
長距離の仕事で家を空けるという話がウソだった以上、樹は家を空けてはいないわけで……
そんなウソをついてまで、わたしを遠ざけようとしたということは、やっぱ樹はあの部屋で美里さんと暮らし始めてるんじゃないか……。
なんて、ずっと考えていたことが頭をめぐる。
「とにかく行ってみたらわかるんだし」
さすが大淀。他人事だと思って、やけにあっさりと言ってくれる。
「で、でも、いないかも」
「いなけりゃ待っときゃいーじゃん」
「えっ、待つの？」
思わず大声を発したわたしの顔を、大淀はまじまじと見つめた。
「たとえ何があっても、俺が絶対に受け止めてやるから」
え……と、何があっても、って、何がある？
