夕方まで勉強して、大淀と並んで帰る。
ポツポツとしゃべりながら、わたしたちは歩いた。
今日最悪だったテストのこととか話していたら、大淀がチラッとわたしの顔を見た。
「鍵のこと、あいつに訊いた?」
「え、まだ」
首を横に振る。
「なんで? 訊けばいいのに」
「うん……」
「怖いの?」
大淀が優しい顔で言ったので、思わずコクンとうなずいた。
「でも気になるんだ?」
「うん……」
「ついてってやろうか?」
「え」
「今からあいつんちに行こう」
えー、と驚いた声を出したけど、実はわたしの頭の中にも、ずうっとそのことがちらついていた。
樹の部屋に行ってみようか……。