小さな疑念を振り払いたくてここへ来た。
忙しくて会えないとか言って、ホントは美里さんと会ってるんじゃないかって、アリバイを確認したくて来ただけなのに……。
こんなの次元がちがいすぎるよ。
あいさつもそこそこにその場を去る。
「真琴、大丈夫?」
後ろにひかえてくれていたサホリンがいなければ、わたしはこのまま家に帰っちゃってたと思う。
サホリンにうながされて、学校への道をとぼとぼ歩いた。
二人とも無言……。
歩きながら、ここ数日間の樹の言動を思い返していた。
ビックリするほどウソで固められた数日間を――。