『会いたい』 考える前にそう言ってた。 『悪い。夕方から仕事だから、今日は無理なんだ』 『じゃあ今から樹の部屋に行く』 『は? 学校だろ?』 『休む』 『何言ってんだよ』 戸惑ったような樹の声。 『わたし、樹の住所知ってるよ。前に会社の人に聞いたもん。連れて行ってくれないなら自分で行くから』 そう言って一方的に電話を切った。 樹がウソをつくんなら、わたしだってつくよ。 会社の人に訊いたわけじゃないけど、樹の住んでいるところはわかったんだし。