『真琴か?』 『うん……』 『昨夜電話もらってたよな? 出らんなくてゴメン』 樹の口調は全然普通。 『仕事だった?』 『うん』 『今どこ?』 恐る恐る訊いてみる。 『もう戻ってきてるよ』 『いつ?』 『さっき戻ったとこ』 なんの迷いもなく、樹の声がそう言った。 こんなに簡単に 樹はわたしにウソをつくんだ。 いつもそうなの? なんのために?