発信ボタンを押して、ドキドキしながら待っていると、
『ただいま運転中です……』
ってドライブモードのアナウンスが流れてきた。
ウソばっか。運転なんかしてないよ……!
「き、切り替えるの忘れてるのかな?」
自分に言い聞かせるようにそう言ったけど、大淀は小さく息をついただけで、なんにも言わずにさっき来た道を歩き出した。
わたしもあとを追って、言葉少なに並んで歩く。
結局駅まで送ってくれた大淀はマジな顔して
「家まで送ろうか?」
と訊いてくれた。
「大丈夫だよ」
かろうじて笑う。
だけど大淀、今日はホントにありがとう。
ひとりだったら、きっと受け止められなかったと思う。
ずうっと……
漠然と怖れていたことが、現実となりつつある、ということを――。



