考えたくはないことが頭にちらつく。
美里さんと二人っきりになった部屋の中で、
樹は……何をするの?
そういうつもりで、連れてきた……?
「上野」
大淀も窓を見あげて思案顔。
「乗り込むか?」
とか訊いてくる。
「え、やだよ」
「だけど、今行かなきゃ……」
今行かなきゃ…………何?
大淀が言葉を選びかけたとき、パッと部屋の電気が消えた。
一瞬、胸が張り裂けそうになる。
大淀がじっとわたしを見つめた。
「来い」
グイッと、また手首をつかみ、大淀はわたしを引っ張ってアパートの反対側にまわる。
そのままの勢いで階段をのぼろうとしたとき――
頭上で部屋のドアが開く音がした。
見あげると、樹の部屋から二人が出てくる。



