1階ごとに4軒ずつある部屋のうち、2階の一番手前が樹の部屋らしい。
さっき二人であがっていったもん。
わたしがどんなに頼んでも、
連れて来てくれなかった樹の部屋――。
わたしがどんなに願っても
渡してはくれなかった合鍵―――。
大淀は一階の隅にある郵便受けを確認中。
『201-相原』というポストを見つけた。
「すげーところに住んでんのな、あいつ」
左側のビルとの間を見あげると、ちょうど樹の部屋に明かりが灯ったところだった。
まだ日は暮れてないけれど、窓の前にはパチンコ店の巨大な壁が迫っていて、電気ナシじゃ暗いんだと思う。
洗濯とかするんだ……。
窓にはちゃんと柵があって、外側に1本、物干しざおが取り付けられていた。
見覚えのあるTシャツやタオルが揺れているのを眺めながら、わたしは呆然と立ち尽くしていた……。



