「待てって」
大淀に手首をガシッとつかまれる。
「あいつ、そーゆーヤツか? ちゃんと確かめたほうがいいよ」
無言でブンブンと首を横に振る。
「バカだな。鍵だってどこの鍵だかわかんないだろ?」
う……。
ガマンしてたのに、大淀が小さな子供に言い聞かせるような優しい言い方をしたから、涙がダダーッとあふれてきた。
だけど、あんなふうに美里さんが喜ぶ鍵なんて、他にないじゃん、バカ。
「とにかく来いって」
以降、泣いてしまい何もしゃべれず……。
ただ、ベソをかきながら、大淀に手を引かれて、樹たちのあとをつけたんだよ。
声をかけるのもためらわれたし、ていうか、樹たちがどこへ行くつもりなのか、やっぱ見届けたかった。
部屋に……行くんだろうけど、もしかしてもしかして違うかもしれないもん。



